被災地で、思うこと

本日は勝浦エリアにてボランティア活動を行ってまいりました。朝イチで大門坂駐車場付近に堆積した土砂からゴミを分別する作業、その後は井関地区にある民家の裏庭に移動し、泥に埋もれた流木や潰れたプレハブ物置などの巨大ゴミ撤去作業を行いました。
LOMより参加してくれたユズル副理事長、杉ヤン、トミー、本当にお疲れ様でした。また、別働隊として熊野川エリアに入っていたコーヘイ議長、トシローくんもお疲れ様でした。JCユニバーシティでの成果報告、期待しております!

ちなみに今回訪れた井関地区の被災前の画像をGoogleマップで見ることが出来ます。(マップの地点は井関地区にある駐在所)

新宮JCさんはLOM事業実施中でありましたが、我が盟友ユウヤ理事長、そしてコーヘイ議長がお世話になっているブロック副会長O田さん、そして仕事の合間を縫ってホリ専務が来て下さいました。皆様それぞれお忙しい中ありがとうございました。

今回はボランティアセンター(以下VC)を通さない形での作業でした。当初、プレハブ倉庫の撤去に取りかかったとき、薄っぺらな鉄くずを前にして為す術のない人間の非力さを強く感じましたが、ユウヤ理事長が用意してくれたアセチレンガス(さすが鉄工のプロ!)が大活躍し、無事に作業を進めることが出来ました。

たった一件の家の裏庭、今回ここで作業をさせていただいて感じたことはVCの位置づけの難しさです。これまで本宮、熊野川町、それぞれのエリアでVCを通して泥かき、ゴミ撤去などの作業を行ってまいりました。今回の勝浦エリアでも多くのボランティアの方々がVCを通して作業をされていましたが、やはり作業は泥かきとゴミ撤去がメインとなります。それも人力によるものがほとんどで、今回の私たちのようにガス切断という専門知識と資格、そして機材を必要とするような作業は行えません。
住民の方も、濁流の通り道となり、ゴミ山になってしまった裏庭を何とか使えるようにして欲しいとVCに依頼しても、そのようなニーズには対応してもらえないというのが現状のようです。

別にこのブログ上でVCの批判をしたいわけではございません。被災地の復興に昼夜を問わず尽力されているスタッフの方々には本当に頭が下がる思いです。ただ、被災家屋で必要とされていることと、善意で集まって下さっている皆さんで出来ることと出来ないことの隔たりを見せつけられ、複雑な思いの中での作業でした。

そしてまた被災地で感じた思いがもう一つ。
今回はたまたま作業をしていた場所の向かいの家で炊き出しをされており、私たちにも一緒に食べるようにお声がけいただきました。炊き出しをされていたのは隣の串本町にある上野山保育所の皆さんで、うどんとおにぎり2つをいただきました。(とても美味しかったです。ありがとうございました!)
またこのおにぎりがデカかったんです。2つとも食べると、最近ダイエットで少食になった私のお茶碗5杯分に相当するぐらい。
被災地ではご迷惑をかけないように自分の弁当と十分な飲料を用意していくよう心がけています。今回ももちろんそういった準備をしてありました。
持ってきた弁当は夕食に回せばいい、しかしうどんを食べ終え、1つめのおにぎりを食べた後で考えました。このおにぎりはかなりデカイ、2つめを食べると食べ過ぎになるかも知れない。この場合ダイエットは脇に置くとして、実は昨晩も少し食べ過ぎていて胃腸の調子も今ひとつ、これを食べると危ないかも・・・。そのときに前回の熊野川エリアでの出来事を思い出しました。

その日、熊野川町では2階の天井まで浸水した家屋での作業を終え、帰り際にそのお家のお婆さんからパンとジュースをいただいたとき、こんなことを言われました。
洪水で冷蔵庫が壊れてしまって冷やすものがない。水で冷やしたからあんまり冷たくないかも知れないが、暑い中で頑張ってくれたからせめてこれだけでも受け取って欲しい、と。
その言葉を聞いて、涙が出そうになりました。洪水で家は大変なことになっている、家財道具はほぼ全てが粗大ゴミと化している、住んでいるのが老人ばかりでゴミ出しも捗らない、食べ物の買い出しだって一苦労、そのような状況だと思います。そんな中でもボランティアの私たちを気遣って、お礼の品をご用意いただき、ねぎらいの言葉をかけてくれる。その気持ちの尊さ、重さに、涙が出そうになったのです。
その日もカンカン照りの猛暑の日で、甘みのあるジュースは本当に美味しく感じました。そして冷えていようがいまいが、ジュースと一緒にいただいた感謝の気持ち、これらを飲み干すつもりでジュースをいただいたのでした。

話はおにぎりに戻ります。
その出来事を思い出しながら2つめのおにぎりを食べきりました。これはおにぎりを食べるのではなく、炊き出しに来て下さっている人たちのねぎらいの気持ちをいただくのだと。
結果、一時的に苦しいほどの超満腹状態にはなりましたが、腹を下すこともなく食べたおにぎりは全て午後の活力となり、より多くのゴミを運び出すことが出来ました。

被災地でのほんの些細な出来事・・・。たかがおにぎりと笑われるかも知れませんが、私にとっては本当に大きな経験となりました。
そして勝浦エリアの復興にもまだまだ多くのエネルギーが必要と感じました。ほとんと手つかずのところもあります。一日も早い復旧・復興をお祈りいたしますと共に、私自身も出来る限りの支援を続けていきたいと感じた、本日のボランティアでありました。

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このブログ記事について

このページは、Youichi Kimuraが2011年10月 8日 22:48に書いたブログ記事です。

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